一見お得に見える「敷金・礼金ゼロ」物件。しかし、安易に飛びつくと退去時の高額請求や契約上のトラブルに発展することも。これから引っ越しを考えている方は、ぜひ知っておくべき落とし穴とその対策を確認しておきましょう。
退去時の原状回復費用が高額になりやすい
敷金ゼロの物件は、引っ越しの初期費用を大幅に抑えられるという大きな魅力があります。特に、一人暮らしや急な転居を検討している人にとって、手持ちの資金が少なくても入居できるのはありがたいことです。しかし、そうした「今が楽になる選択」が、将来的に大きな金銭的負担につながる可能性があるのです。その代表的な例が、退去時に発生する原状回復費用の高額請求です。

こんなケースに注意!
- 経年劣化による汚れなのに修繕費を請求された
→ 国交省のガイドラインでは、通常使用による損耗(例:日焼け、軽度の家具跡)は借主負担ではないとされています。 - 契約書に「退去時一律クリーニング代◯万円」と記載
→ 契約時に同意していると、実際に汚れていなくても支払い義務が生じることがあります。
家賃が相場より高めに設定されていることがある
一見お得に見える「ゼロ円」の裏側
物件を提供する側(オーナーや不動産管理会社)は、ビジネスとして貸している以上、利益を確保しなければなりません。敷金や礼金をゼロにすることで入居者を集めやすくなりますが、その分のリスクや収入減をどこかで補う必要があります。
● 同じエリア・同じ築年数・同じ間取りの物件の相場が月6万円だった場合
→ 敷金礼金ゼロ物件では、月6.5〜7万円に設定されていることも
● 短期解約の違約金が発生する
→1年未満の解約で「家賃1〜2ヶ月分の違約金」がかかるなど、“すぐ引っ越すと損する”仕組みになっていることも。
契約前に確認していないと、転勤や家庭の事情などで損をするリスクがあります。
● 管理費や共益費が異常に高い
→物件自体の家賃は安く見せつつ、「管理費1万円以上」「共益費に設備利用料が含まれる」などで調整されているケースもあります。
● 契約更新料が高い・頻繁に発生する
→ 敷金・礼金がゼロでも、「更新料」が1年ごとに家賃1ヶ月分必要な場合があります。
通常2年ごとが多い中、1年ごとの更新+高額更新料で費用がかさみやすくなります。
● 築年数が極端に古く、修繕されていない
→ 敷金・礼金ゼロの物件の中には、築40年以上・風呂トイレ別なし・エアコンなしなど、住環境が良くない物件も紛れており、長く住むには不便なことも。
● そもそも空室期間が長い=何かあるかも?
→ 敷金礼金ゼロにしてもなかなか決まらない物件は、過去に住民トラブルがあった・隣が騒音物件・虫やカビが出やすいなど、
表に出ていない「避けられる理由」があることもあります。
保証会社の審査や費用が高い
①なぜ保証会社の利用が必須になるのか?
敷金がないということは、大家さんや管理会社にとって「万が一滞納された場合、補填するお金がない」ことを意味します。
そのリスクを補うために、保証会社の加入が義務化されているのです。つまり、「敷金ゼロ」には保証会社の強制加入がセットになっているケースがほとんどなのです。
②審査が厳しいことも
保証会社によっては、家賃の支払い能力や勤務先・収入状況・過去の信用情報(携帯代やカードの滞納歴)などを厳しく審査されることがあります。
以下のような場合は、審査に落ちるケースも
高齢者や外国籍で日本語の読み書きが不自由
フリーランスや自営業で安定収入が証明しづらい
雇用形態がアルバイト・派遣など非正規
過去に金融事故(クレジットや携帯料金の延滞)がある
③審査に通ったが、別の保証会社への再申込を求められた
信用情報や年収が原因で保証会社の審査に落ちても、ほとんどの会社は「審査結果の理由は開示しない」方針をとっています。
再申し込みもすぐにはできず、スケジュールに大きな影響が出ることも
④保証会社のトラブルで契約更新できなかった
まれに、保証会社とのトラブル(更新料未納・口座の問題など)が原因でオーナー側が契約更新を断ってくるケースもあります。
まとめ
敷金・礼金ゼロ物件は初期費用を抑えられるため魅力的に見えますが、家賃が相場より高めに設定されていることが多く、長く住むほどトータルの費用が割高になる場合があります。また、保証会社の利用が必須で、その審査が厳しく、初回保証料や更新料など高額な費用がかかることも少なくありません。さらに、退去時の原状回復費用を借主が全額負担するケースが多く、予想外の出費につながることがあります。契約更新料や短期解約の違約金など、細かな費用や条件もしっかり確認し、築年数や管理費なども考慮して、総合的に判断することが重要です。安さだけで決めず、トータルコストと契約内容をよく見極めましょう。
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